第21章 彼が君のために呼んだ家庭教師だ

令嬢たちは、そろって呆けたように目を見開いた。

「……はあ!? 何それ!」

春山一花は我に返った途端、怒りで声が裏返った。

「私たちに出てけって? 出てくのはどっちよ。身分の低い下種が、誰に向かって偉そうにしてんの? ご主人さまの頭にでも乗ったつもり?」

「晴美、なんであんなのに丁寧にしてるの?」岩本奈々が腑に落ちない顔で橘晴美を見る。「あんなに調子乗ってるなら、あなたのお母さまに言って追い出してもらえばいいじゃない」

橘晴美は困ったように唇を結んだ。

「一花も奈々も、怒らないで……。あの子、田舎から来た子だから、ちょっと……ね」

言い切らなくても、意味は伝わった。

「ほら、...

ログインして続きを読む